France / Rhone
Alexandre Hote アレクサンドル・オット
· AI 2021 VDF キュヴェ アー
品種 グルナッシュ60%、サンソー30%、シラー10%
ロゼ 750ml
シラー、サンソーはタヴェルと同様のぶどうだがやや早く収穫。シラーはタヴェルのもう一つのテロワールである砂質土壌。すべてのぶどうは全房でMC後、醸しはせずやさしく圧搾され、デブルバージュ後発酵。SO2添加せず2022年春詰め。
僅かに紫の入った淡いピンクの色調。よりチャーミングな小赤果実風味を感じる。アタックはとてもアロマティックで香水の様。まさにラングロールを彷彿とさせる。余韻にハーブっぽさもありとてもエレガント。(インポーター資料より)
Alexandre Hote / AI 2021 VDF
「アレクサンドル・オット」
日本の冬のある日、ラングロールのエリックと奥様のマリー・ローが初来日した。奈良の東大寺をご案内していたとき、雪がちらちらと舞い始めた。こんな寒い時にもかかわらず、何と心の穏やかなおふたりなんだろうと感じたことを憶えている。
あれからまもなく20年、今年の3月に素晴らしい生産者と出会った。それがアレクサンドル・オットである。栽培家であった彼は永らく農協にぶどうを販売していたが、工業的なワイン造りに終始する農協を脱し、自然なワイン造りができないかと模索していた彼を導いたのがあのラングロールのエリックであった。
タヴェルの特殊性
ナチュールの世界ではタヴェルと云えば皆、ラングロールを思い浮かべるだろう。それは当然である。
タヴェルの特殊性は、実はかなり昔から知られていた。ローヌ川右岸の高台に位置するタヴェルの畑には、シャトーヌフデュパプと同じような子供の頭ほどもある丸い石に覆われている。この石はアルプスからローヌ川を伝って流れてきたもので、割ると中はピンク掛かったトパ-ズ色の石英で出来ている。実はこの石がワインに大きな影響を与えているのだ。日中の熱を蓄えたこの石が夜間熱を放出しぶどうがよく熟すことにより、醸造しワインとなったときに香水のような馨しい香りとなるのだ。この香りは醸造時にごく軽い醸しをしないと消えてしまうので、タヴェルでは昔から軽く醸されていた。しかし1980年代濃いワインがもてはやされるようになり、この伝統が失われてしまった。それを復活させたのがラングロールのエリックだったのだ。
アレクサンドル・オットは、元々栽培するぶどうをラングロールやグラムノン、農協などに販売していたのだが、2019年から自身のワインを手掛けるようになった。ラングロールが再興した本来のタヴェルを、アレクサンドルが受け継いでいる。応援したい生産者の誕生である。(インポーター資料より)