France / Rhone
Andrea Calek
· A toi nous 2022
品種 60%グルナッシュ、40%シラー。
赤 750ml
10 日間のマセラシオンで若い内から美味しい
畑の中で選果しながら収穫。風通しの良い畑なので例年腐敗果は少ないが、完璧に選果することで SO2 を使用しな い。全房を使用。発酵はファイバータンクで野性酵母のみ。温度管理もしない。マセラシオンは 10 日と短くして軽くフレッシュに仕上げる。12 ヶ月熟成させ てからボトリング。
飲み頃になるまで瓶熟成してから出荷。「バビオル」は「安い装飾品」を意味する。
(インポーター資料より)
Andrea Calek / Babiole 2021
ル・マゼルの畑を受け継ぎ、酸化防止剤無添加で醸す
社会主義国チェコの軍隊から脱走してフランスで自由を求めたアンドレア 独特の芸術的センスを活かして教科書にはない独自の世界観のワインを醸す
『ニコラ・ジョリーの著書、ル・ヴァン・ドゥ・シェル・アラ・テールを 翻訳し、ニコラ・ジョリーと共にチェコスロバキアにビオディナミの 思想を広めたのがアンドレア・カレク』
1970 年、チェコスロバキアのプラハで生まれたアンドレア・カレクは 16 歳の時既に、育ての親でもあるお爺さんの下でワイン醸造を 経験しています。 その後、母親の薦めでチェコの軍隊に入隊させられてしまいますが、 1989 年に軍隊から脱走しフランスへ。その自由さに惚れ込み、 不法滞在を続けます。 『フランスは自由で人生を楽しめる場所だった。社会主義国で 育った人にとって天国のようだった。どんな手を使ってでも軍隊 を抜け出し、フランスで生活したかった』 残念ながら不法滞在は長くは続かず、強制送還。チェコに戻ると 即時に罰せられ、投獄されてしまいます。当時のチェコは厳格な 社会主義国家でした。軍隊を除隊し、オリーブの樹の保守と歴史的建築の保守を仕事 としてフランスに移住。栽培学や植物を学んでいる過程でワインに 興味を持つようになります。 『ワインを仕事にするつもりはなかったが、フランスの自由さと自 然に惹かれ、フランスを再度訪れた時にマルセル・ラピエールや ギィ・ボサールと出会って強い感銘を受けた』 考古学と植物額に興味があったが、お金になりそうもなかったので 植物学を選び、リヨン醸造大学の栽培・醸造コースに入学してし まいます。 『当時は農薬全盛だったが、ジュール・ショヴェが提唱した自然 栽培・自然醸造をマルセル・ラピエールやピエール・ブルトンが推 し進めていた。まさにナチュラルワインの始まりだった』
醸造を学んでいたので、マルセルの収穫祭に招かれ、マルセルや ギィ・ブルトンと接し、彼等のパーソナリティーとエネルギーに圧倒さ れ、興味を持ち始めます。 『ボジョレーのギャング・オブ・4と呼ばれたマルセル・ラピエール、 ギィ・ ブルトン、ジャン・フォアイヤール、ジャン・ポール・テヴネに 学び、ワイン造りを開始した』
❖ヴィヌメンティスを経て
卒業後、栽培・醸造コンサルタント会社で働き始めるが、そこでギ ィ・ブルトンと再会し、意気投合。共同生活の中でワイン造りの思 想を同じくしていく。 『ドメーヌ・オーヴェット、ラ・ブラック等にビオディナミを導入する など多くの実績を残した後、2005 年にはヤン・ロエルが立ち上 げたヴィヌメンティスに参加』 ローヌ、アルディッシュのル・マゼルのジェラルドを頼り、アルディッシュ に辿り着いたアンドレアは 5ha の畑をジェラルドから買い取り、遂 にドメーヌを立ち上げます。 『アルディッシュの中心アルバ・ラ・ロメンヌの 1 枚畑で周辺には 家も葡萄畑もなく、森に面している。自然なワイン造りには最も 適した環境だった』
ル・マゼルの 1 つ南の集落にある緩やかな丘陵部で北東を向いて いるので、アルディッシュの中では少し冷涼と言えます。収穫をじっ くり待つ事ができるのも理想的。 『畑の隣にキャンピングカーを置き、その中で寝泊まりしながら のワイン造り。ワイナリーは建設中だが、資金が足りず、5 年経 っても完成していない』 畑の前には壊れたシトロエンが置かれていて、それがドメーヌ・アン ドレア・カレクの目印。ワイナリーの看板も、ポストさえないので辿り 着く事はなかなか困難。
『できれば仕事はしたくない。僕は、たまらなく Lazy(怠け者)なんだ。ワインを造り続けるなんて、そんなに難しい事はない。僕 1 人では絶対に不可能だ』
煙草を吸い、ワインを飲み、寝ぐせのついた髪の毛でよれよれの 服。周囲の造り手達からも問題児扱いされているアンドレアです が、その芸術的センスは特別なのです。
『2016 年にはスタージュに来ていたステファナが、そのままドメ ーヌに加入。栽培は、ほぼ全てステファナが担当。正確で速い 仕事でアンドレアを支えている』
❖酸化防止剤無添加
アンドレアのワインは全て原材料、葡萄のみ。補酸、補糖は勿論、 フィルターなし、清澄なし、酸化防止剤の添加もなしというもの。 自分の飲みたいワインしか造れないのです。 『全ての畑はビオロジックで管理され、周辺に森を残す事で生 物多様性を維持している。また、周辺に家もないので生活排 水も大気汚染の影響もない』 収穫からボトリングまで一切の亜硫酸を使いません。使わないで 醸造できるように腐敗果を無くさなければいけません。果実が健 全であれば必要ないのです。
(インポーター資料より)