Slovenia
Anze Ivancic
· Rebula 2021
品種 リボッラジャッラ
白(醸し)750ml
自宅のすぐ前にあり、ビリャーナでは最も古いリボッラ ジャッラ(58年)が残る畑。
強烈なポンカ土壌に深く根を伸ばし、さらに近年のクローン 選抜される以前のリボッラ ジャッラ。
厳しいグリーンハーヴェストを行うため、夏の時点で約70%のブドウを間引く。さらにブドウの房もカットす る。収穫の時点で凝縮し、果汁が蜂蜜のようになるほどに凝縮したブドウを目指すアンジェ。
2021 年は天候に恵まれ、昼夜の気温差によって 酸が残った、バランス感のあるヴィンテージ。
収穫したブドウは自身で細かく選別を行い、梗まで完熟した房は除梗せずにマセレーション。アル コール醗酵が終わってから圧搾し、使い込んだバリックやトノーにて 24 カ月の熟成。途中、オリ引きは最低限にとどめる事で、オリの持つ要素 や味わいを尊重したワイン造り。
まず何よりも、液体の濃度に驚かされてしまいます。徹底しきった収量制限と、樹上での成熟によって「極限」といってもいいほど凝縮したブドウを果皮と共に醗酵する。く「マセレーショ ンをすることは必ず必要な事ではない。ただ、最高のブドウを収穫できたのなら、果皮や種子を使わないのがもったいないだけ。」そう言い切るアンジェ。
成熟した果皮、果梗、そして種 子まで、すべてがワインに味わいや奥行き、複雑さを与える要素となっている。それを本能的に感じるリボッラ ジャッラ。アルコールの高さはもちろんあるものの、果実や酸、奥行き、ど のサイズも飛びぬけているため、決して悪目立ちしていない。むしろその迫力とどこまでも続く余韻の長さには、間違いなく驚いていただけると思います。
リボッラ ジャッラ、樹齢30年~58年。厳しく収量制限を行い、限界まで完熟を待 ってから収穫。すべて自身で選別し、梗まで完熟したブドウは除梗せずにマセレー ションを行う。約 40 日程度、果皮と共に醗酵を行い、醗酵が終わるのを待ってか ら圧搾。古バリック・トノーに移し、24 カ月の熟成。ボトル詰め後、12 カ月の熟成。 果皮が厚く、地域的に最も可能性を持ったブドウと考えているリボッラ ジャッラ。 非常に繊細で複雑、ヴォリュームやアロマよりも奥行きや骨格を感じるワイン。
(インポーター資料より)
Anze Ivancic / Rebula 2021
スロヴェニア西端、イタリアと国境を隔てるBrdaブルダ、その中心部に位置するビリャーナの町。イタリア側のゴリツィアやコルモンス、オスラヴィアまで車で10~20分と近く、国は違うものの同じ土壌を持つ「Collioコッリオ」であり、古くローマ時代にはコッリオの中心地として繁栄していたとされる土地。
当主であるアンジェ イヴァンチッチは31歳。幼い頃より自然や畑での仕事に興味を持ち、農業高校へ進学。そこで公募していたワイナリー研修制度に申し込みました。その研修先こそフリウリ、いやイタリアの代表する偉大なる白ワインの造り手「Josko Gravnerヨスコ グラヴネル」のカンティーナでした。
研修期間が終わった後も、そのままヨスコの元で10年以上畑とカンティーナで働いたアンジェ。「ワインを造る上で重要なモノ、唯一の事はすべてヨスコの元で経験してきた。」、そう屈託のない笑顔で語るアンジェ。自宅の近くにある高樹齢のブドウ畑を2018年より借り、ブドウ栽培、醸造を開始します。
畑は自宅からすぐ近くの約2ha、樹齢は基本的に古く40年以上のものがほとんど。一部の区画はビリャーナで一番古い58年というリボッラ ジャッラも残っている畑。土壌は強烈なポンカ(Ponca:堆積岩が風化した土壌)に覆われており、強いミネラルはもちろん、崩れやすい岩石の間にブドウ樹の根が深く伸び、保水性も非常に高い土壌。樹齢の古い畑は、グイヨーやコルドーネ スペロナート、広い間隔で植えられており、地表より1mほどの高い仕立て。
彼のもっとも特出すべき点でもある、1本の樹から徹底的に収穫量を抑え、樹上での凝縮と完熟を追求。樹1つあたり4~6房、500g~700gという驚異的な低収量、、。グリーンハーヴェストで全体の70%程度を落とすという徹底的な収量制限には驚愕の一言。
非常に恵まれたポンカに埋め尽くされた土壌に、50年以上の古いブドウ樹、近代的な仕立てではなく伝統的ともいえる土地に見合った仕立て。そして、そこからさらに目を疑うような激しい収量制限と、果皮・種子の完熟だけでは足りない、その先の「超凝縮」、とでもいうような樹上での完成。種子まで完熟し茶色く色づいた種子。
醸造については非常にシンプル。収穫したブドウは開放桶の中で4~5週間のマセレーション(果皮浸漬)を行いながらアルコール醗酵。圧搾後、木樽に移し24カ月の熟成。強烈に凝縮したモストは非常に糖度が高いこともあり、非常に緩やかに醗酵が続きます。アルコール度数も15%を軽く越えるヴィンテージが多く、2020のフリウラーノは16%にも迫るほど、、。
しかし、「アルコール度数が高いだけではない、それ以外の要素も同様、いやそれ以上に凝縮しているからこそアルコリックに感じない」、そう考えている彼。カンティーナの設備や生産量の問題もあり、現在約2年間の樽熟成。素材のポテンシャルを鑑みれば、将来的にはもっと長い時間を費やしたいところですが、、。
しかし、現時点でリリースされているアンジェのワインに対して、何か「足りない」と思わされるものは全く感じない、そう本心で思える味わい。ヴォリューム感や余韻、果実はもちろんですが、ボトルの中の液体の密度、情報量の多さ。美味しいという言葉だけでは全く足りない、、そう自覚してしまうほどの圧倒的な味わい。ボトル詰めを始めたのは2018年から。生産量は僅か3000~4000本には満たない量。収量制限の話を考えれば、仕方のない生産量だとご理解いただけると思います。
これほどの若さで凄まじいクオリティ、可能性を持っていることは間違いありません。そして、それ以上に彼と話している中で、完璧というベクトルとは違う、彼自身の愉しみや喜びに満ち溢れているワインであると痛感します。凄さや偉大さだけではない、人間的な柔らかさと情熱。彼は今後間違いなく成長していく、、その先に見えるアンジェのワインが、いったいどれほどの存在を放つのか、、、汗。期待以上に鳥肌が立つような感覚に襲われます。フリウリ、スロヴェニアという枠を超えて表現しきる「Brdaブルダ=Collioコッリオ」のポテンシャル。これから先の時代を担うアンジェの可能性。間違いなく覚えていただきたい原石のような造り手です!(インポーターより)