Slovenia
Anze Ivancic
· Takoj 2021
品種 フリウラーノ
白(醸し)750ml
フリウラーノ、以前はトカイと呼ばれリボッラ ジャッラと同じく、コッリオ~イソンツォにオリジナルを持つブドウ。
果皮が厚く酸のあるリボッラと比 べ、果皮はデリケートで柔らかなアロマが特徴のフリウラーノ。
しかし、コッリオにおいては、リボッラ ジャッラほどの期待値は持たれておら ず、、。私自身も同様に感じてきました。ただ、高樹齢の「クローン選抜されていない」フリウラーノにおいては、繊細で柔らかいだけではない、野 性味や力強さをも併せ持っている、そう考えているアンジェ。
このブドウを、彼なりの厳しい選別(収量制限と果梗までの完熟)によって収穫した驚異的なフリウラーノ。畑の面積を考えても、その生産本数 は明らかにおかしいと感じるほどの超低収量、、汗。収穫の時期には、「触れたら(房から)粒が落ちてしまうほど、、」の状態だったと笑うアンジ ェ。超凝縮しただけでなく、貴腐化したブドウも混在しており、、完成したワインのアルコール度数は今年も安定の16%越え、、(笑)。 凄まじい果実味とアロマ、酸は柔らかくも存在感があり、それを覆い隠すかのような複雑さと余韻の波、、、、。こんなフリウラーノは今まで飲 んだことがありません、、、。生産量はわずかバリック 1~2樽分程度、日本への入荷量も決して多くはありません。価格にも驚かれるかもしれませんが、この存在感は飲んでいただけ れば間違いなくご納得いただけると思います。
樹齢 40 年。厳しく収量制限を行い、限界まで完熟を待ってから収 穫。すべて自身で選別し、梗まで完熟したブドウは除梗せずにマセレーションを行 う。約 40 日程度、果皮と共に醗酵を行い、醗酵が終わるのを待ってから圧搾。古 バリックに移し、24 カ月の熟成。ボトル詰め後、12 カ月の熟成。2020 のフリウラ ーノは貴腐化したブドウが大半を占めたというヴィンテージ。収量制限も厳しいた め、バリック 1 樽分250 本だけしか造られていない。アルコール 16%に届くモン スターでありながら、エレガントさ、奥行き、情報量の多さを持ったワイン。フリウラ ーノの概念を塗り替える衝撃的な味わい。
(インポーター資料より)
Anze Ivancic / Takoj 2021
スロヴェニア西端、イタリアと国境を隔てるBrdaブルダ、その中心部に位置するビリャーナの町。イタリア側のゴリツィアやコルモンス、オスラヴィアまで車で10~20分と近く、国は違うものの同じ土壌を持つ「Collioコッリオ」であり、古くローマ時代にはコッリオの中心地として繁栄していたとされる土地。
当主であるアンジェ イヴァンチッチは31歳。幼い頃より自然や畑での仕事に興味を持ち、農業高校へ進学。そこで公募していたワイナリー研修制度に申し込みました。その研修先こそフリウリ、いやイタリアの代表する偉大なる白ワインの造り手「Josko Gravnerヨスコ グラヴネル」のカンティーナでした。
研修期間が終わった後も、そのままヨスコの元で10年以上畑とカンティーナで働いたアンジェ。「ワインを造る上で重要なモノ、唯一の事はすべてヨスコの元で経験してきた。」、そう屈託のない笑顔で語るアンジェ。自宅の近くにある高樹齢のブドウ畑を2018年より借り、ブドウ栽培、醸造を開始します。
畑は自宅からすぐ近くの約2ha、樹齢は基本的に古く40年以上のものがほとんど。一部の区画はビリャーナで一番古い58年というリボッラ ジャッラも残っている畑。土壌は強烈なポンカ(Ponca:堆積岩が風化した土壌)に覆われており、強いミネラルはもちろん、崩れやすい岩石の間にブドウ樹の根が深く伸び、保水性も非常に高い土壌。樹齢の古い畑は、グイヨーやコルドーネ スペロナート、広い間隔で植えられており、地表より1mほどの高い仕立て。
彼のもっとも特出すべき点でもある、1本の樹から徹底的に収穫量を抑え、樹上での凝縮と完熟を追求。樹1つあたり4~6房、500g~700gという驚異的な低収量、、。グリーンハーヴェストで全体の70%程度を落とすという徹底的な収量制限には驚愕の一言。
非常に恵まれたポンカに埋め尽くされた土壌に、50年以上の古いブドウ樹、近代的な仕立てではなく伝統的ともいえる土地に見合った仕立て。そして、そこからさらに目を疑うような激しい収量制限と、果皮・種子の完熟だけでは足りない、その先の「超凝縮」、とでもいうような樹上での完成。種子まで完熟し茶色く色づいた種子。
醸造については非常にシンプル。収穫したブドウは開放桶の中で4~5週間のマセレーション(果皮浸漬)を行いながらアルコール醗酵。圧搾後、木樽に移し24カ月の熟成。強烈に凝縮したモストは非常に糖度が高いこともあり、非常に緩やかに醗酵が続きます。アルコール度数も15%を軽く越えるヴィンテージが多く、2020のフリウラーノは16%にも迫るほど、、。
しかし、「アルコール度数が高いだけではない、それ以外の要素も同様、いやそれ以上に凝縮しているからこそアルコリックに感じない」、そう考えている彼。カンティーナの設備や生産量の問題もあり、現在約2年間の樽熟成。素材のポテンシャルを鑑みれば、将来的にはもっと長い時間を費やしたいところですが、、。
しかし、現時点でリリースされているアンジェのワインに対して、何か「足りない」と思わされるものは全く感じない、そう本心で思える味わい。ヴォリューム感や余韻、果実はもちろんですが、ボトルの中の液体の密度、情報量の多さ。美味しいという言葉だけでは全く足りない、、そう自覚してしまうほどの圧倒的な味わい。ボトル詰めを始めたのは2018年から。生産量は僅か3000~4000本には満たない量。収量制限の話を考えれば、仕方のない生産量だとご理解いただけると思います。
これほどの若さで凄まじいクオリティ、可能性を持っていることは間違いありません。そして、それ以上に彼と話している中で、完璧というベクトルとは違う、彼自身の愉しみや喜びに満ち溢れているワインであると痛感します。凄さや偉大さだけではない、人間的な柔らかさと情熱。彼は今後間違いなく成長していく、、その先に見えるアンジェのワインが、いったいどれほどの存在を放つのか、、、汗。期待以上に鳥肌が立つような感覚に襲われます。フリウリ、スロヴェニアという枠を超えて表現しきる「Brdaブルダ=Collioコッリオ」のポテンシャル。これから先の時代を担うアンジェの可能性。間違いなく覚えていただきたい原石のような造り手です!(インポーターより)