France / Alsace)
Maison Moritz Prado メゾン・モリッツ・プラド
· Nous Sommes Libres Pinot Noir 2021
品種 ピノ・ノワール
赤 750ml
2021年の春は乾燥していましたが夏に多雨、カビなどへの対策に多くの時間を費やしました。幸運なことに9月からはとても暑く葡萄が水分を保ちながら綺麗に熟しました。これまでで最も遅い10月2日から収穫を開始、とても厳しく選果したことで発酵は順調に進み、凝縮感と冷涼感のあるスタイルに仕上がりました。
樹齢約60年の古木。ステンレスタンクで14日間の全房発酵。ジャーとステンレスタンクで半分ずつ、それぞれ9ヶ月の熟成。
やや淡い赤色。
ドライ苺などやや充実した果実に赤い果実の果汁の瑞々しい香りが混ざり合う香りに、小梅や赤紫蘇、ドライフラワー、ドライハーブの香りが加わり、オーヴェルニュのワインを想わせるようなややトーンの落ち着いた印象を受けます。滑らかな舌触りで雑味のない赤い果実の果汁のように清らかに口中へと流れ込み、ドライ苺やフランボワーズなどのやや凝縮した果実味と旨味、ドライフラワーなどの深みや奥行きを与える風味が溶け込み、時折感じられる仄かな塩味やピンクグレープフルーツのようなほろ苦さがアクセントを与えながら広域に広がります。ピュアで愛らしい果実味と繊細で気品のあるたおやかな様子を兼ね備え、複雑性に富んだ魅力的な味わいです。
(インポーター資料より)
Maison Moritz Prado / Nous Sommes Libres Pinot Noir 2021
Maison Moritz Pradoは2018年からアルベという人口約500人の小さな村でワイン造りをしています。
フランス人の夫のギラン・モリッツは過去にポルトガルのDomaine Conceitoで収穫作業、ブルゴーニュのDomaine Devillardに5年間勤務後、ルーマニアのDomaine Avincisで7年間総合責任者を務めるなど、豊富な経験を持ちます。コロンビア人の妻のアンジェラ・プラドは金融の修士号を持ち、当初は金融の世界でキャリアスタートを切りましたが、ギランとの出会い機にルーマニアに移り、ギランと共にドメーヌでワイン造りの経験を積みました。その後二人は独立を決意し、フランス国内でブルゴーニュ、ボルドー、ロワールなど畑を探し回りましたが、近年気候が及ぼす大きな影響やワインの好みなどを考慮し、総合的に過小評価されていたアルザスを選びました。
その中でもアルベは非常に小さいアペラシオンに関わらず、すり鉢状の内側に位置する畑の標高は約350m〜500mで冷涼な気候で、土壌の性質は主にシストというワインに冷涼感が出やすい環境です。ぶどうの生育が平地と比べて約2週間ほど遅く、開花時期の霜の影響が比較的低く毎年安定した収穫が出来る傾向にあるところも大きな魅力です。
強い冷涼感のあるワインを好む二人は、特に近年の地球温暖化に対応できているこの理想的な条件から、自身が納得のいくワインを造る事ができるこの土地のポテンシャルに魅了されドメーヌ設立に至りました。彼らのワインには、常にとても笑顔でエネルギッシュな二人の明るい面と、非常に真面目な部分の両方が写し出されているように感じます。自然に対して大きなリスペクトを払う彼らは、フランス全体のヴィンテージ毎の特徴というよりは、アルベ単体のその年とテロワールの特徴を最大限表すようにワインを造ります。今後の将来にも更に期待が高まる生産者です。
畑及び栽培
アルベには約60〜70haの畑があり、内2/3がシスト(ミルフィーユ状及び石のような高密度形状)、残り1/3が花崗岩やマルヌカルケール、砂など。モリッツ・プラドは4.85haの畑を所有し、100%シスト土壌。AOCの中でも一番標高の高い450m付近に大部分の区画を持ちます。すり鉢状という特性上、一度雲がこのエリアに入ると滞留しやすく、通念雨量を確保しやすい傾向にあります。例えば、フランスが特に干ばつの問題を抱えた2022年夏は、8月半ばに1週間で7mmのみの雨量に対して、この山の中では6倍強の45mmの雨が降るなど。畑は2018年に引き継いだ後すぐにビオに転換され、2020年以降ビオディナミ農法でぶどう栽培を行っています。
土壌に関して、根の密度と保水性のバランスを最大限保つために葉は1列毎のみ切り、もう片方は軽量な機械でロールのみを行い、耕す部分はぶどうの木の根元のみです。作業が比較的容易な区画では馬も使用します。
醸造
ステンレスと樽、ジャーの3種類の熟成タンクを使用し、キュヴェによってはこの3つ全てをアッサンブラージュします。キュヴェ毎の特徴はそのヴィンテージとぶどうの熟し具合に合わせた醸造及び熟成を行い表現されます。泡に関しては初ヴィンテージから36ヶ月間瓶内澱接触のミレジメを試み、とても良い仕上がりになっています。ペットナットに関しても一度辛口ワインを造り、収穫後のプレス時に一部凍らせたジュースを使い瓶内二次発酵させるなど、畑と同様に醸造でも手間を惜しまず作業します。
(インポーター資料より)