France / Cahors(Sud-Ouest)
Simon Busser
· Printemps 2020 プランタン
品種 マルベック/メルロー/タナ
750ml 赤
2020/1月に訪れたカオールのSimon Busser。
みんなで鹿を解体しながら豪快に焼いて、Simonのワインを。
馬や愛犬と共に暮らす、優しい彼の性格が 溶け込んだような
カオールらしさもありつつ、ピュアで飲み心地の良いワイン。
下記、インポーター資料より。
粘土珪質土壌の樹齢約30年の葡萄。コンクリートタンクで1ヶ月間のマセラシオン。その後コンクリートタンクと600Lの樽で12ヶ月熟成。
中程度の赤紫色。ブルーベリーやカシスなどの黒系果実のコンフィチュールや、グレナデンのような充実した赤い果実の香りが混ざり合うような香りを主体に、赤スグリやザクロなどキリッと引き締まった酸を持つ果実の香りが加わります。
口に含むと瑞々しささえ想わせるミディアムタッチ。それでいて円みを帯びた様子で穏やかに口中へと流れていきます。カシスリキュールやブラックベリーなどエキス感のしっかりとした風味にカルダモンやコリアンダーなどの爽やかなスパイスのニュアンスが加わり、溌剌とした印象で口中に広がります。全体に輪郭を与えるようなメリハリのある小気味良い酸、アフターに仄かに感じるピンクグレープフルーツのような風味やほろ苦さが、若々しい緻密な果実の風味とバランス良く溶け込み、抑揚を感じさせる仕上がりです。
Simon Busser / Printemps 2021
オーナーであるシモン・ビュセーの父親は、既にビオロジック栽培をしていましたが、醸造設備を持たなかったため、収穫したぶどうは協同組合に販売していました。父が所有し賃貸するぶどう畑の内、一番古い樹齢(1970年)の一部3haのぶどう畑を引き継いで2007年よりワイン造りを開始。
2007年の醸造は、近所でワイン造りをする知り合いの醸造設備を借りて仕込みました。
それまでワイン作りを手伝ったことはあっても、醸造学校に行ったこともなく、ワイナリーで働いたこともないシモンにとっては、試験的な仕込みであり、どちらかというとちょっとした興味程度のことでした。知り合いである“近所のおじさん”のワイン作りを真似て作った初ビンテージは、SO2をあまり使わなかったという(SO2含有量は80mg/L)。今風のテクニックを駆使しないことが幸いしたのでしょう。その結果、ワイン作りとは、原料であるぶどう栽培と発酵という工程が必要な、奥が深く複雑で、内容の濃い点に興味がわいてワイナリーになる決心をしました。夢は地中海の大平原「カマルグ」で乗馬をして暮らしたい、というほど馬が大好きなシモンは、どうせ農業をするのなら馬で耕そうと考えます。友人を通して、馬でぶどう栽培をする蔵元として有名なロワールのオリヴィエ・クザンに出会い、手綱さばきの研修を受け、今ではボルドー液などの農薬散布以外は全て馬を使って栽培をするようになりました。「馬は、大地と私の大切な友達。」とシモンは言います。
【栽培・醸造】
そんな彼ゆえ、父から譲り受けたぶどう畑は当然ビオロジック栽培。現在では5haに拡大し、一部でビオディナミも実践している。2007年に「エコセール」の認証を取得しました。
「産地らしさ」その典型性をワインに表現するには、毎年異なる気候の違いに応じて最高のぶどうを育てること。ぶどうが最後まで熟成する力があるかどうか。そういう点も含めて収穫のタイミングがワイン作りにおいて一番重要だと考えています。「ぶどうがワインになる秘密の通り道がある」のだそう。
収穫の際には、喜び、または歓喜に包まれた雰囲気でぶどうを収穫できると、そのエネルギーがワインの味に影響すると思っています。(J.M.ブリニョも同じ事を言っています。)これは言い換えると労を惜しまず仕事をするということであり、心をこめてぶどう作りをすることにつながります。当然、醸造所での仕事も同じライン上にあります。
シモンの気持ちが皆に伝わるせいか、週末にあわせた3~4日間の収穫には、家族や友人、その家族が集まって50人前後の人が手伝ってくれる。バックラベルには、感謝を込めて収穫者の名前を入れています。
蔵の中での仕事は、できるだけ人為的な介入をしないよう、またポンプを使わないように心がけ、酵母は天然酵母を使い、SO2はできるだけ控えたワイン作りをおこなっています。(インポーター資料より)