Slovenia
Kmetija Stekar
·Jankot 2017
品種 フリウラーノ(トカイ・フリウラーノ)100%
750ml 白(スキンコンタクト)
畑・土壌:スネザトノ村ブルダ地区、0.2ha、西向き、フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:シルヴォズ(Sylvoz)仕立て
植密度:2300本/ha
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。
果皮と共に17日間マセラシオン、濾過せず。SO2添加せず。
熟成:オーク樽で12か月
2019年らしい果実の開放感。エキスの甘さと酸が立ち香の段階で調和しています。
ピーチティーや生の落花生、追いかけるアプリコット。中心に酸がしっかりと軸を描きますが併走するように細い果実が幾重にも束ねられて筋肉のように余韻まで伸びていきます。タンニンや醸造による緩みや淀みもなく余韻まで一貫した構造美。
ラディコンが唱えたトカイ(Tokaj)の逆読み“Jakot”に造り手ヤンコの名前を引っかけて命名。時間で除光液を思わせる揮発酸が上昇。(インポーター資料より)
Kmetija Stekar / Jankot 2019
ヨーロッパの中央に位置し、イタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーに囲まれたスロヴェニア共和国は、多様性に富んだ地形と複雑で長い歴史を持っています。スロヴェニア北西プリモルスカのゴリシュカ・ブルダ地区、北にアルプス山脈、南にアドリア海を臨むノヴァ・ゴリツァの隣にある小さな町スネザトノ村にクメティヤ・シュテッカーはあります。
ブルダとは丘を意味する言葉です。イタリアにまたがるこの丘は、フリウリではコッリオと呼ばれています。スラヴ系、ラテン系、ゲルマン系の民族と文化が入り交ざるこの町は、イタリアのフリウリ=ヴェネチア・ジューリア州と国境を接しており、フリウリの巨人ラディコンやグラヴナーが居を構えるオスラーヴィアまでわずか2キロほどしか離れていません。
ノヴァ・ゴリツァとは新しいゴリツァという意味です。歴史的にはイタリア領ゴリツァの一部でしたが、第二次世界大戦後にゴリツァの町の東側が旧ユーゴスラビアに割譲されたためスロヴェニアの帰属となりました。
シュテッカー家の歴史は最も古い文献から1672年まで遡ります。そして現在まで私たちはこの土地に根を下ろしています。 10代目となる当主ヤンコ・シュテッカーが生まれたのは戦後樹立したユーゴスラビア社会主義連邦共和国の時代になります。ヤンコの曽祖父の時代はサクランボやアプリコット、プラムといった様々な果樹を栽培していました。シュテッカー農園がヤンコに引き継がれた時には、私たちはワイン造りに注力していました。そして2000年には完全に有機栽培に移行しました。ヤンコは現在でも果樹園を所有しており桃、キウイ、ナッツ、オリーヴも人為的・化学的な介入することなく育てています。
ヤンコは果皮のフェノール類まで完璧に成熟させます。ヤンコのワインは白ブドウを赤ワイン同様に果皮浸漬させています。果皮浸漬の期間は決めておらず果皮が自然に沈殿するまで浸漬しています。ブドウの質が高いため、不必要な収斂性や歪なフェノールが味わいに反映されず、滑らかで純度の高いエキスを生むのです。白ブドウを浸漬する造り方はこの地方の伝統なのです。1844年、シュテッカー農園近郊に住んでいた聖職者マティヤ・ヴェルトニックというが記したスロヴェニアのワイン造りの本にも『24時間から30日まで果皮を浸漬すること。これによりワインの味わいと熟成能力を向上させ、ワインはドライに仕上がる。』と、記されています。果皮のタンニンに含まれる抗酸化物質のおかげでワインは長い命を与えられるのです。私たちは、ワインは単なるアルコール飲料ではなく、文化の一部だと考えています。それは代々、持続可能なアプローチ、極力干渉を避け、有機的な栽培・醸造を手掛け、この土地柄を反映し、色調や醸造テクニックの概念に縛られることのないワイン造りです。テロワールを昇華した本物のワインは、飲み手の感情に直接訴えかけて、私たちの考えや土地柄を語ってくれます。(インポーター資料より)