France / Sud-Ouest
LA BONNE PIOCHE ラ・ボンヌ・ピヨッシュ
· En Attendant la Pluie 2022 オナタンドン・ラ・プリュイ
品種:ブローコル(フェル・セルヴァドゥ)70%、デュラス 30%(買いブドウ)
赤 750ml
地場品種による軽やかで個性的な赤
醸造:
手摘みで収穫したブドウを完全に除梗して破砕。野生酵母のみでグラスウールのタ ンクで温度管理を行わずに自発的に発酵。マセラシオンは 1 日 1 回のルモンタージュで 15 日間。圧搾後、引き続き自発的なマロ発酵と熟成。
無清澄・無濾過で瓶詰め。SO2 は 瓶詰め時に必要最最小限のみ添加。
2022 年の収穫日はブローコルもデュラスも 9 月 5 日。アルコール度数 13 度。総生産量 500 本。2024 年 3 月時点の SO2 トータルは 17mg/l。
ヨアン自身のコメント:
キュヴェ名の『En Attendant la pluie オナタンドン・ラ・プリュイ』とは、フランス語で「雨が降る のを待ちながら」という意味です。2022 年は非常に乾燥した年で、ベト病などの病害は殆 ど発生しませんでした。しかし、成熟期に水不足によりブドウの生育がブロックされてしまいま した。
このため、雨が降るのを待っている間、誰もが収穫をするのを止めていた 2 週間があり ました。しかし、私はこの「雨が降るのを待っている間」に、このキュヴェのブドウを収穫しました。
文字通り「雨を待ちながら」醸造したのがこのキュヴェであることから、このように命名しました。 ブローコルという品種は、早めに収穫すると、カベルネに似ていて、やや青さが感じられます が、私は、その青さも魅力であると思っています。果実味主体の赤ワインですが、よくありが ちなマセラシオン・カルボニックで造られたヴァン・ド・ソワフとは違います。喜びのワインであり、 シリアスなワインでもあります。
(インポーター資料より)
LA BONNE PIOCHE / En Attendant la Pluie 2022
アメリカでのソムリエ経験から転身したネオ・ヴィニュロン
ラ・ボンヌ・ピヨッシュはフランス南西のアンディヤックにあるドメーヌです。造り手のヨアン・ル ジエは、妻がアメリカ人であったため、当初アメリカでソムリエをしていました。そこで、世界中 のありとあらゆるワインを試飲したヨハンは、ナチュラルワインに強く引き付けられていきまし た。土地とそこに根差した食、そして自然を愛する二人は、フランスに戻ってドメーヌを設立。 ナチュラルワイン造りに乗り出したのです。
標準化にはうんざり。ユニークな個性を目指したワイン
ヨアンは標準化されたワインにうんざりしていました。クラシックなものや、居心地の良い場 所から抜け出して、ちょっと変わったワインを消費者に提供したいと考えていました。そこで、 自身の感性のおもむくまま、そしてブドウが自発的にどうなりたいかに寄り添ってワイン造りを しています。彼が手掛けているのは、ガイヤックの地場品種主体にしたペット・ナットやオレン ジ、軽やかな赤など、これまで南西ワインにはないユニークな個性を備えたワインばかりです。
ドメーヌとその哲学について
La Bonne Pioche ラ・ボンヌ・ピヨッシュはフランスのシュッド・ウエストの Andillac アンディ ヤックに Yohann Rougier ヨアン・ルジエによって 2019 年に設立されたドメーヌです。1986 年 生まれのヨアンは、妻の Amy エイミーがアメリカ人だったこともあり、当初はアメリカに住んで いました。アメリカのワインショップでソムリエとして働いていたヨアンは、その間に、フランス、ア メリカ、そして世界各国のワイン、あらゆる品種のワイン、工業的ワインからアーティザナルな ワイン、ナチュラルワインに至るまで様々なワインを試飲して、発見する機会に恵まれました。
その時に、知人を通して、ブルゴーニュでナチュラルワインを造っているクリストフ・サンティニ と知り合いました。彼からフランスで何が起こっているのかを教えてもらったといいます。テロワ ールに誇りを持ちながら、AOC を必ずしも崇拝しないヴィニュロン達、化学物質を一切使わ ないワイン造りは不可能だと言われてきたにもかかわらず、驚くべき方法で遂にそれをやって のけたヴィニュロン達。多くのヴィニュロンが様々なアプローチでナチュラルワイン造りをし、人々 はそこで歴史を作っているということを知ったのです。そのことを妻に話すと、エイミーは「わかっ た。フランスでワインを造ってみよう!」と言ってくれたそうです。そして、その数カ月後には二 人はフランスに引っ越しをしていました。フランスに戻ったヨアンは、ブドウ畑を探して、ロワール やラングドックなどのワイン産地を回りました。
しかし、最終的に自分の育った地方であるガイヤックに住むことに決めました。10 代の頃 のヨハンはガイヤックという産地がどんなものか知らず、イメージも良くありませんでした。しかし、 ガイヤックでは、辛口の白ワインから甘口まで、プリムールワインから熟成用の赤ワイン、酸化 的ワインまで、ほとんど全てのスタイルのワインが造られています。また、今は世界中でペッ ト・ナットがもてはやされていいますが、ガイヤックでは昔からペット・ナットが造られていました。 さらに、ヨアンはガイヤックの地場品種がどれも個性的であることにも強く引き付けられまし た。例えば、デュラスはシラーよりも芳醇なペッパーのアロマを備え、モーザックにはリンゴや洋 梨の味わいがはっきりと感じ取れます。ヨアンにとってガイヤックは「隠れた宝石」だったのです。
こうして、2019 年にガイヤック近郊の村アンディヤックに定住したヨアンは、耕作放棄地だ った1haのブドウ畑を譲り受け、モーザックとBraucol ブロコル(マルシアックではフェル・セル ヴァドゥと呼ばれる赤ブドウ品種)を栽培。ナチュラルワイン造りを始めたのです。最初の 3 年間は、ドメーヌの仕事と並行して、同じガイヤックのナチュラルワインのドメーヌ、カンタローズ で働いていました。カンタローズとは現在も親交があり、ワイン造りについての意見交換を頻 繁にしています。また、ミネルヴォワのル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオとも家族ぐるみで交流があ り、一緒に食事しながらワイン造りについての見解を語り合う仲だそうです。
ヨアンもエイミーも、ヴィニュロンの家系の出身ではありません。しかし、二人とも生活を楽しむ家族の出身でした。人が食べるものが土地と密接に関係していることは明らかです。忘れてしまいがちですが、ワインは何よりも農産物です。そして、ワインも「生きているもの」でなければなりませ ん。ワインは畑で造られます。そのためにはブドウ木と一緒に仕事をすることが何よりも大切 です。また、ヨアンはヴィニュロンの役割は、土壌を枯渇させないこと、そして生物多様性を 活性化することであると考えています。なぜなら、そうすることで畝の間に沢山の花や昆虫 が集まってきます。ブドウ木の代わりに花やハーブ、果物、生け垣、木を茂らせることは収量 の点からはバカバカしいことですが、そのおかげで、多種多様な花が咲き、様々な虫が集ま り、豊かな自然の香りが感じられます。多様性は至るところに存在しています。ブドウに付 着する酵母も生きています。それは私達にとっても美しいことですし、心を和ませてくれます。
二人はビオロジックで殆ど全ての農作業を手作業で行っています。ブドウ畑での作業は 難しく、時間がかかります。農薬を使わないということは、畑作業に多くの時間を費やすこと になります。反復的で、近道をしたくなる状況が沢山あります。しかし、ブドウ木のバランスを 保つためには、1 枚の葉が他の全ての葉よりも優先されるということを受け入れることはでき ません。実際、病害を制御するのは非常に困難です。化学殺虫剤を使用して、生命を破 壊するという簡単で楽な方法を取りたくなるかもしれません。しかし、土壌を生かす唯一の 解決策「つるはし」です。ヨハンは、この「つるはし」との親密な関係がとても気に入っています。 シンプルな道具ですが、多くのことを象徴しています。ハードですが公正な仕事との関係。そ して、農薬を使うような近道をすることは解決策ではないことを毎日自分に言い聞かせてい たいのだそうです。
そのようなことから、ドメーヌの名前を『La Bonne Pioche ラ・ボンヌ・ピヨッシュ』と名付けま した。ピヨッシュとはフランス語で「つるはし」のことです。ラ・ボンヌ・ピヨッシュと言うと「正しい 選択、賢明な選択」を意味する慣用句になります。ヨアンは、このような小規模な家族経 営の農場こそが持続可能な農業であると考えています。性別に関係なく全ての人にとって 持続可能であること。私達が尊厳と節度を持って仕事から生計を立てることができるように、 そして、これからもワインが全ての人の飲み物であり続けるために、可能な限り介入を少なく するように努めています。
ヨアンは標準化されたワインにうんざりしていました。クラシックなものや、居心地の良い場 所から抜け出して、ちょっと変わったワインを消費者に提供したいと考えていました。そこで、 自身の感性のおもむくまま、そしてブドウが自発的にどうなりたいかに寄り添ってワイン造りを しています。ヨアンはワインを自分の子供のようなものと感じています。学校では子供に全て を管理し、修正することを教えます。しかし、ヨハンは父親の役割は、子供(ブドウ)がどう なりたいかを教えるのではなく、子供(ブドウ)が自発的にどうなりたいかに寄り添っていく ことであると考えているのです。彼の目標は透明性、そして何も加えない純粋なジューズから ナチュラルワインを造ることです。土着酵母で醸造し、無清澄・無濾過、そして可能な限り 亜硫酸をゼロに近づけること。添加する場合には、必要最低限の量であり、その他の醸造 添加物は一切使いません。
(インポーター資料より)